
介護・福祉のパンフレット制作術
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2025
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制作のコツ
[コラム]
「パンフレットを作るたびに、こんなに費用がかかるのか…」
「同じ仕様なのに、印刷会社によって金額が全然違う…」
パンフレットの制作担当になったり、自社の販促物を初めて作ろうと思ったとき、真っ先にぶつかる壁が「コスト」ではないでしょうか?
こうした悩みは、販促物を初めて制作する担当者の多くがぶつかる壁です。
コストを下げると“安っぽくなるのでは”という不安から、結局どこを削っていいのか判断できない。そんな声をよく耳にします。
しかし実際には、品質を維持したまま10〜30%のコスト削減が可能です。
それは“値切る”ことではなく、“構造を理解して最適化する”ことから生まれます。
この記事では、多くの企業パンフレットを手がけてきた私たちが、
「なぜ印刷コストに差が出るのか」という根本構造から、
「現場で実践できる削減ポイント」まで、丁寧に整理して解説します。
▼短時間で要点をつかみたい方へ
「なぜ印刷コストに差が出るのか?」
「5つの削減ヒント」
だけ読めばOKです。
▼じっくり理解したい方へ
「安くする=品質を下げる、ではない。「最適化」という考え方」
まで読み進めてください。
最後には、コスト最適化の“全体像と判断基準”が見えてくるはずです。
目 次
印刷物の見積もりを複数社に取ると、同じ条件のはずなのに数万円の差が出る。
これは印刷費が、以下のような多要素の組み合わせで決まるからです。
これらを“なんとなく”で決めてしまうと、見えないロスが積み重なります。
逆に、目的・使用シーン・数量の根拠をもって選ぶだけで、
印刷コストは自然と最適化されていきます。
印刷費はトータル金額だけで評価せずに、一つひとつの項目を比べていくことが大切です。
パンフレットの印刷方式には、「オフセット印刷」と「オンデマンド印刷」などがあります。
印刷単価について、ざっくりお伝えすると以下のとおりです。
※印刷製品やサイズによって例外もあります。参考程度に。
印刷費の中でも、最もコストに直結するのが「紙代」です。
高級紙や特殊紙は、たしかに手触りや見た目の高級感を演出できますが、一般的な紙の2倍〜3倍のコストがかかることも珍しくありません。
「必ずしも高級紙である必要はない」という視点を持つことが大切です。
たとえば、ターゲットや配布シーンを考慮して紙質を選び直すだけで、5〜20%のコスト削減が可能です。また、紙の厚みを少し下げる(例:135kg→110kg)だけでも、見た目の印象を大きく変えずに金額を抑えることができます。
パンフレットの印刷費は、紙をいかに無駄なく使えるかで大きく変わります。
PP加工(表面にフィルムを貼る加工)や箔押し、エンボス加工といった特殊な加工は、パンフレットの質感を高めますが、1部あたり数円〜十数円のコスト増になります。1,000部単位で考えると、数万円の差になることも。
すべてのパンフレットに同じ加工が必要か?と問い直してみてください。
「急ぎでお願いします!」と依頼すると、多くの印刷会社では特急料金が発生します。通常、追加で10〜30%の費用が上乗せされます。(1〜3営業日は割高になりやすい)
制作スケジュールに余裕を持たせるだけで、この上乗せ分を抑え、5〜10%の削減が実現できます。
少なくても7営業日以上の印刷日数を保てると割安になります。シンプルですが、一番簡単に費用を抑える方法といえるでしょう。
特に展示会や年度末パンフレットのような繁忙期は、早期計画が大切です。
ここまで見てきたように、コスト削減の本質は“ただ削る”ことではなく、“戦略的に削る”ことです。
目的ごとに品質のレベルを調整することで、無理のない印刷運用が実現します。
このように、「誰に」「どんな目的で」渡すのかによって、パンフレットの品質を調整することで、費用対効果の高いブランディングが実現できます。
すべてを高級仕様にする必要はありません。大切なのは、伝えたい価値に応じて品質を設計するバランス感覚なのです。
単一の工夫だけでコストを大幅に下げるのは難しいかもしれません。しかし、印刷方式・用紙・仕様・納期などを総合的に見直すことで、品質を保ったまま20〜30%のコスト削減が現実的に可能になります。
パンフレットは単なる“印刷物”ではなく、企業の印象を形にする営業資産です。だからこそ、見た目だけでなく「コストの設計」も戦略的に行うことが重要です。
私たちが大切にしているのは、コストを下げることではなく、“伝わるデザインを、最も効果的に届けること”。
パンフレット制作は、単なるデザイン作業ではなく、お客様の目的・戦略を理解し、最適な表現を選ぶプロセスです。
まずは一度、目的・部数・配布シーンをお聞かせください。貴社のブランディングを損なわず、確実にコストを最適化できるプランをご提案いたします。
0120-511-500(月〜木9:00〜18:00:お問合せ番号9)